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日本における大関節再建インプラント市場のトレンドは?

日本における大関節再建インプラント市場のトレンドは?

この記事は、弊社が発行したレポート「Large-Joint Reconstructive Implants | Market Insights | Japan | 2021」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。

市場の見通し

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、日本の大関節再建インプラント市場に深刻な打撃をもたらす見通しです。流行が始まった当初、多くの都市が感染への暴露や感染伝播の可能性を制限するために住民に対し屋内退避命令を出す中、人工股関節および人工膝関節全置換術などの絶対に必要とはいえない手術は延期または中止されました。多くの医療従事者は、仮想プラットフォームを使用してサービス、サポート、相談を行うなど、顧客と対話するための代替的な方法を導入しましたが、多くの治療が最終的に延期されたり見送られたりする状況は変わりませんでした。そのため、大関節再建の手術ボリューム(ひいてはユニット販売数と売上高)は2020年に大幅に減少する見込みです。

日本の大関節再建インプラント市場が本格的に回復するのは2020年第3四半期から2021年にかけてになるとみられますが、2022年には先送りされた手術の一部が実施される見通しです。特に、先送りされた手術の回復率は、医療体制の収容能力と、増加した患者を受け持つ病院や医師の能力によって影響を受けます。とはいえ、選択的手術への制限が解除されると、手術ボリュームは急速に回復することが予想されます。股関節および膝関節置換術の先送りは、一般的には生命を脅かすものではありませんが、これらの手術の先送りに伴う可能性がある進行性の疼痛と不快感のせいで、患者は手術スケジュールをできるだけ早い時期に変更する傾向があります。大関節置換術は病院にとって重要な収入源でもあるため、医療機関の側にもこれらの手術の実施時期をできるだけ早い時期に変更したいという動機があります。先送りされて実施されていない手術が引き起こす成長が収束する2022年以降、成長率は減速し始めると予想されます。回復直後の大関節再建インプラント手術のボリュームは、引き続きCOVID-19危機前に予想されていた水準を下回りますが、最終的には2023年までに危機前の予想水準に達するでしょう。

日本では、2020年4月上旬にCOVID-19非常事態宣言が発出されましたが、国内のCOVID-19新規感染者数の減少が確認されたため、5月最終週に解除されましたMcCurry J2020年)。日本国内の感染者数は、最近では7月と8月に増加しています(共同通信、2020年)。日本における最近の感染者数の急増は、主に様々な都市における緊急事態宣言やその他の制限の緩和によるものであり、今後、危機からの回復をさらに遅らせる可能性もあります。状況が悪化した場合、日本中の都市で規制が再び拡大・強化される可能性がありますが、そうした措置の厳しさの度合いとその後の影響は依然として不透明であるため、この市場予想モデルでは考慮されていません。

最終的には、日本で世界的大流行の影響が収束した後、好ましい人口動態が日本の大関節再建インプラント市場の成長を2029年まで支えることが予想されます。日本の高齢者における関節炎患者数の増加を背景に、怪我や加齢に関連する股関節および膝関節置換術の需要が高まるため、手術ボリュームは小幅に増加する見通しです。ただし、手術ボリュームの増加は、代替治療としての日本での低侵襲HA関節内補充療法の高い人気によって、ある程度制約を受け続けるでしょう。また、厚生労働省による保険償還価格の引き下げと価格競争が相まって再建インプラントの平均販売価格が低下することで、ユニット販売数の増加の影響が相殺され、市場の成長が阻害されると考えられます。

日本の大関節再建インプラントデバイス市場においても、米国や欧州などの地域と比較して承認済みデバイスが少ないことが阻害要因となる見込みです。厳格な規制基準と複雑な登録プロセスが日本市場への参入の障壁となっています。デバイスメーカーは、以上のような課題に基づき、日本への新製品投入の優先度を米国や欧州よりも引き下げる傾向があり、日本への新製品の投入時期が遅れることが少なくありません。また、厚生労働省による保険償還価格の引き下げによって、売上高の伸びがある程度抑制される見通しです。しかも、将来的に医療機器の保険償還価格に費用効果に基づく評価が導入されることで、競合企業の利益率がさらに制約され、日本市場における売上高の拡大が一層妨げられる可能性があります。

さらに、日本の多くの医師は新しい技術の採用に対して保守的であり、説得力のある臨床データがなくても既に確立されている製品と技術を使用し続けるでしょう。したがって、整形外科手術用ロボットプラットフォームと新しい3Dプリントインプラントが日本市場に投入されているにもかかわらず、前者は高い資本設備コスト、後者はインプラントよりも優れていることを示す強力な臨床データがないことを理由にこれらの技術の採用は制限されることになり、プレミアム価格のインプラントの使用を阻害し、市場全体の売上高の成長をある程度制約することが予想されます。とはいえメーカーは、特に大関節インプラント市場の規模を踏まえ、大関節置換術を対象にこれらの技術の開発を継続するでしょう。それが、こうしたイノベーションの将来の採用拡大につながる可能性があります。

市場ハイライトで述べたように、COVID-19を巡る状況は急速に変化しており、様々な市場への影響を完全に把握することは依然として困難です。この市場モデルは2019年の競合他社のシェアを示しているため、COVID-19の影響を反映していませんが、多くの市場で製品需要が後退した結果、整形外科分野で競合する企業の多くがコスト削減と雇用の削減を余儀なくされていることから、目下の状況はこれらの企業に悪影響を与えると予想されます。そのため、大関節再建インプラント市場を含む様々な整形外科デバイスセグメントで事業を展開する企業の競争戦略は、優先順位が変更され、財務上の制約が高まる中で、変化し続ける可能性があります。

 

競合状況

日本の大関節再建インプラント市場は比較的成熟しており、いくつかの定着した競合企業(主に多国籍企業)が市場の大部分を占有しています。主要プレーヤーであるジンマーバイオメット、ストライカー、京セラメディカル、デピューシンセス、スミス・アンド・ネフューは、合計で市場の80%以上を占有しています。

主要な競合企業であるジンマーバイオメットとストライカーは、いずれも世界中で高い評価を得ているブランドであり、股関節および膝関節インプラントだけでなく、他の多くの整形外科デバイスを含む幅広い製品ポートフォリオを有しています。これにより、両社が製品のバンドル販売やクロスセルを行う機会も非常に大きく、両社の市場シェアは拡大しています。

2019年の日本の大関節再建インプラント市場におけるジンマーバイオメットの売上高ベースのシェアは約40%でした。しかし同社の場合、膝関節および股関節インプラントにおける以前の製品回収を巡る複数の否定的な評判が、現在もまだ消滅していません。さらに2018年には、日本で販売したM/Lテーパー人工股関節インプラントの一部を回収しました(これに関しては製品の回収と安全性の問題で詳述しています)。とはいえ、ジンマーバイオメットの膝関節および股関節インプラントの幅広いポートフォリオ、Persona Partial KneeやG7 Acetabular Systemなどのブランドに関連する肯定的な臨床アウトカム、および近く発売される膝関節置換術向けのROSAロボット手術システムが売上高を押し上げ、業界における同社の地位を予測期間全体で下支えするでしょう(詳細については、製品の改善およびイノベーションをご参照ください)。さらに、同社のベンダーおよび販売員は整形外科医とのビジネス関係を構築・維持しており、医師のブランドロイヤルティを維持する上で重要な役割を果たしています。こうした確立された営業ネットワークが同社に恩恵を与えています。

ストライカーの大関節再建部門の売上高は成長しています。これは主に、トライアスロン人工膝関節システムとエクセター人工股関節システムの採用が増加したことによるものです。ストライカーは、外科用ロボット市場の世界的リーダーであり、ロボットシステムの膝関節および股関節のアプリケーションに関する日本の規制当局の承認を取得した最初の競合企業として、MAKOプラットフォームの部分膝関節、全膝関節、全股関節の手術の承認を受けています。同社は、日本での整形外科手術用ロボットシステムの台頭と需要の高まりによる最大の受益者です(詳細については、整形外科手術用ロボットデバイスシリーズをご参照ください)。同社の股関節インプラント事業も、予測期間中に発売が予想されるトライデントIIアセタブラーシステムなどの新製品の発売と、大腿システムポートフォリオの継続的な採用により、売上高の成長が見込まれています。

一方、日本の競合企業は、より規模の大きな多国籍企業と同等の品質を持ちながら、よりコストの低い製品を提供しているほか、研究とイノベーションによって日本市場での存在感を獲得できています。例えば、日本企業の京セラメディカル(旧JMM)は、植込み型デバイスなどの医療機器を開発・製造する医療開発センターを日本に開設し、革新的な表面技術を取り入れた差別化された製品を提供することにより、日本の股関節インプラント市場で大きなシェアを獲得しています。

この記事は、弊社が発行したレポート「Large-Joint Reconstructive Implants | Market Insights | Japan | 2021」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。


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