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アジアにおける腹腔鏡治療市場トレンドは?

アジアにおける腹腔鏡治療市場トレンドは?

この記事は、弊社が発行したレポート「Laparoscopic Devices | Market Insights | Asia Pacific | 2021」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。

市場の見通し

アジア太平洋地域では、腹腔鏡下で行われる手術は本質的に選択的または半選択的であることから、病院が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の緊急治療を優先し、感染リスク軽減対策に取り組んでおり、多くの手術が延期またはキャンセルされることになるでしょう。

つまり、腹腔鏡下手術のボリュームはCOVID-19によって大きく影響を受ける見通しです。手術ボリュームの回復率は手術の性質によって異なります。肝切除、胃切除、膵切除などの一般的な外科出術は、状況が改善すると急速に回復します。これらの手術は重要であり、長期間先送りすることができないからです。同様に、腎摘出や子宮摘出といった泌尿器科の手術も、比較的迅速に回復する見込みです。逆に、女性の不妊手術や肥満手術などの本質的に選択性の高い手術の回復は最後となり、しかも緩やかなペースでの回復となります。

COVID-19の世界的大流行(パンデミック)は短期的には市場を阻害しますが、状況が改善すれば、アジア太平洋地域の腹腔鏡デバイス市場は予測期間全体で緩やかに成長するでしょう。中国とインドでは、最小侵襲技術がもたらす利点によって主に腹腔鏡手術が増加していることで、成長が促進される見通しです。対照的に、オーストラリアと韓国の市場は、電動ステープラーやビデオ腹腔鏡などの技術的に高度なデバイスの採用によって支えられることが予想されます。

中国とインドでは輸入関税が高いため、デバイスの平均販売価格は、大半のデバイスセグメントでオーストラリアと韓国を上回るでしょう。また、インド市場は他の国に比べて規制が緩いため、ディストリビューターの利幅が大きくなっています。

インドは2017年に医療機器規則を改正しました。これにより、医療機器の承認プロセスが厳しくなり、最終的には製造業者のコストが増加する見通しです。対照的に、オーストラリアは規制レビューの一環として、米国、カナダ、日本など比較可能な国の販売承認プロセスを参考にすることにより、承認プロセスを緩和する取り組みを行っています。以上のような政策変更の結果、インドとオーストラリアでは平均販売価格にそれぞれ上向き、下向きの圧力が加わると思われます。

中国の腹腔鏡デバイス市場は、依然として本調査の対象国の中で最大であり、インドがこれに続きます。これらの市場はいずれも、高水準の手術ボリュームと平均販売価格に支えられています。韓国とオーストラリアは高度な医療体制と高い腹腔鏡浸透率を有していますが、人口の減少がこれらの国の腹腔鏡デバイス市場を制約するでしょう。

COVID-19を巡る世界の状況は急速に変化しているため、医療技術分野を含む様々な市場への影響を完全に把握することは依然として困難です。ただし当面は、患者が絶対に必要とはいえない手術を中止または延期し、医療機関がCOVID-19の診断と治療を優先するため、腹腔鏡デバイス市場は悪影響を受けることになります。結局、目先的には、この市場における競合企業の売上高と利益が制約を受けます。

 

競合状況

2019年には、アジア太平洋地域の腹腔鏡デバイス市場は、主に使い捨て可能デバイスに注力するグループと、主に資本設備、特に腹腔鏡と再利用可能デバイスを提供するグループという、2つの主要な競合企業グループで構成されていました。カールストルツ、リチャード・ウルフ、オリンパスなどの大手多国籍企業は、資本設備と再利用可能デバイス市場に重点を置いており、これらのセグメントで力強い業績を達成しています。市場全体のリーダーであるメドトロニックとエチコンは、使い捨て可能なアクセスデバイス、直接エネルギーデバイス、エンドリニアステープラーとカッターに引き続き注力しています。

Applied Medicalとエチコンは、それぞれ2020年と2019年に特定の胆嚢摘出術およびステープラー製品の回収を開始しました(詳細については、ハンドインスツルメント市場および内部閉鎖装置市場の章をご参照ください)(米国食品医薬品局、2020年)(米国食品医薬品局、2019年)。ただし、回収の影響を受けた製品はごく少数であるため、腹腔鏡デバイス市場全体における両社のシェアに大きな影響を与えることはないと予想されます。

中国とインドにおける再利用可能デバイス、特にアクセスデバイスとハンドインスツルメントの高い浸透率は、カールストルツやオリンパスといった再利用可能製品のポートフォリオを提供する競合他社にとって追い風となるでしょう。

Applied Medicalは、オーストラリアのアクセスデバイス市場およびハンドインスツルメント市場で、大きな市場シェアの獲得に成功しています。これは、Applied Medicalがエチコンやメドトロニックよりも低価格で高品質のデバイスを販売していることによるものです。

インドのOm SurgicalsやPurple Surgical、中国のマインドレイ・メディカル・インターナショナルなどの国内専業企業は、市場にますます浸透しつつあります。これらの企業は、製品開発が比較的単純で製造コストがそれほど高くない、コモディティ化されたデバイス市場で特に成功を収めています。

一方、多国籍企業の優位性は、複数のデバイスセグメントにおける大規模病院の入札で指名を受けやすい立場にあることです。こうした入札では通常、大量の製品を一括受注するかわりに大幅な値引きを提供する必要があります。小規模企業にとって、様々なセグメント(特に直接エネルギーデバイスや腹腔鏡などの技術的に高度なセグメント)で必要とされる数量を提供しながら利益率を引き下げ続けることは困難です。大規模な入札はアジア太平洋地域ではますます一般的になりつつあり、多国籍企業に競争上の優位性をもたらしています。

この記事は、弊社が発行したレポート「Laparoscopic Devices | Market Insights | Asia Pacific | 2021」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。


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