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欧州における消化器内視鏡デバイス市場トレンドは?

欧州における消化器内視鏡デバイス市場トレンドは?

この記事は、弊社が発行したレポート「Gastrointestinal Endoscopy Devices | Europe | 2020」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。

マーケットトレンド

欧州では消化器内視鏡を用いた検査・手術を必要とする患者プールが拡大し、実施症例数も増加する見込みです。高齢者の増加やアルコール依存、不適切な食事といった人口統計学的及びライフスタイル要因が、消化器がんや膵炎の発症増加につながりそうです。

一方、診断技術の向上やスクリーニング増加のための各国政府の努力を受け、診断率は上昇するでしょう。ただ、多くのデバイス市場に共通して革新に欠けることから、こうしたセグメントにおいては競合製品間にさほど差がなく、各社は価格での競争を迫られています。このため、欧州の消化器市場においては個々の製品の平均販売価格の低下が生じています。

とはいえ、各国政府は臨床アウトカム改善のための努力を続けており、これが一部セグメントにおける高額製品の採用促進につながっています。本レポートで考察対象となっているすべての国で、腺腫検出率向上のため高額な消化管ビデオスコープの採用が増加しているのがその例です。これは当セグメントにおける平均販売価格維持に役立ち、全体的な販売価格低下の影響を和らげています。

欧州の消化管ビデオスコープシステム市場は、再処理された十二指腸内視鏡の安全性に関する医師及び患者の懸念を受け、マイナス成長が予想されます。こうした懸念は主に、米国で感染症や死亡などの有害事象が再処理済みの十二指腸内視鏡の汚染と関連付けられたことを受けたものです。FDAは医療施設に対し、完全使い捨て型の十二指腸内視鏡、または使い捨て部品を使用し、安全かつ容易に消毒、殺菌が可能な製品への切替えを推奨しました(U.S. Food & Drug Administration, 2019)。欧州ではこうした推奨は出されていないものの、再処理された十二指腸内視鏡の安全性に関する医師や患者の認識は、実施数や市場収益に何らかの打撃を及ぼす可能性があります。

欧州のガイドラインは、様々な消化管治療の要件であるスクリーニングプロセスの点では各加盟国に差がありますが、いずれにおいても大腸内視鏡スクリーニングが増加し、腺腫検出率が注視されています。このトレンドは続き、売上増加につながるものと予想されます。

また、製品ラインへのAI(人工知能)採用が高まりつつあります。メドトロニックはUEG Week 2019で、世界初のAI搭載大腸ポリープ検出システムGI Genius Intelligent内視鏡モジュールを発表しました。消化管内視鏡におけるAI使用が高まれば、欧州各国でポリープ検出率が向上し、検査・治療実施数と売上の伸びも予想されます(メドトロニック、プレスリリース、2019年10月17日)。

さらに、CAD(computer-aided diagnosis:コンピュータ支援診断)の信頼性が高まるにつれ、次第に医師は診断よりも治療介入に多くの時間を費やすというトレンドが続いています。この動向は消化管内視鏡デバイス各領域におけるイノベーションが続くにつれ、さらに強まりそうです。結果的に、より安全でコスト効率に優れた内視鏡術が実現するでしょう。

COVID-19を巡る世界的な状況は急速に変化しているため、medtech領域を含め多様な市場に与える影響の全体像を確認するのは依然困難です。消化管内視鏡デバイス市場では、患者が絶対に必要とはいえない手術を見合わせる、または延期する、医療施設がCOVID-19診断と治療を優先するといった理由から短期的にはマイナス影響が予想されます。このため当市場で競う各社においては短期的に売上が伸び悩みそうです。

 

競合状況

消化管内視鏡デバイス市場の首位はオリンパスです。同社は高収益が望める消化管用ビデオスコープシステムセグメントで圧倒的な地位を占めています。さらに、複数のセグメントにおいて多岐にわたる製品ポートフォリオを有していることも強みです。オリンパスなど、多様な製品群を持つシステム(設備)ベンダーはシステムの売上に加えて、その他の消化管内視鏡関連製品の販売を確保できます。

さらに同社は、製品改良を続け、高度技術を製品に統合しています。そのうえ、戦略的パートナーシップの取り組みも続け、欧州では日立と続けているパートナーシップの一環として、2018年6月、内視鏡超音波(EUS)スコープが日立のARIETTA 850超音波診断装置との互換性を実現したと発表しました。

2019年、当市場の2位はボストンサイエンティフィックでした。ほぼすべてのセグメントにおいて多様な製品を擁しています。同社は多岐にわたる製品ポートフォリオを利用して顧客との関係を築き、同様の製品をパッケージ販売することでまとめて売上を伸ばすことができるのが強みです。ボストンサイエンティフィックが競う、成熟した市場にはMedi-Globe、CapsoVision、Taewoong Medical、Hobbs Medicalなど、やや小規模の企業数社が存在しているため、首位を維持するには価格ベースの競争を続ける必要がありそうです。競争が激化しつつある市場で、顧客との強固な関係や長期にわたる実績を活かせば標準治療としての地位を確立できそうです。

メドトロニックは、カプセル内視鏡及び、消化管内視鏡デバイス市場で最も急速な成長をみせているバレット食道に対するアブレーションデバイス市場で確固たる地位を築いています。後者においては、デバイスを裏付ける強力な臨床データを得て、優位に立っています。一方、カプセル内視鏡における首位の座は、同社の幅広いカプセル内視鏡ポートフォリオ、当セグメントに一番乗りした恩恵、さらに幅広く消化管用診断用製品を有していることで、消化管診断法領域のソリューションプロバイダとしての地位確立を果たしたことによるものです。同社はこれらのセグメントでの製品イノベーションと改良に注力しています。これが成長著しいこれらの市場で首位を維持するのに役立ちそうです。

再使用可能な附属品や構成部品を含む十二指腸鏡の安全性を巡っては、懸念があるため、使い捨て部品を使用した、または完全に使い捨て可能な十二指腸鏡を提供できるメーカーが有利と言えます。そうした製品の需要は今後も増加が予想されます。例えばPENTAX MedicalのC.A.P HD十二指腸鏡は使い捨て部品を取り外せば、殺菌と再処理が容易かつ安全に実施できるため他社製品よりも有利で、今後同社シェアの拡大が予想されます。

欧州の新たな医療機器規則(MDR)の下で医療機器の承認を目指すなか、追加費用や承認の遅れといった課題に直面する企業も見られそうです。こうした課題は、企業が欧州での地位を拡大できるか否かを左右する可能性もあります。特に小規模企業においては追加費用の負担が困難となることも考えられるため、ポートフォリオを統合し、より大きなマージンが期待できるデバイスに集中する戦略を選ぶ可能性もあります。

この記事は、弊社が発行したレポート「Gastrointestinal Endoscopy Devices | Europe | 2020」のExecutive Summaryを翻訳したものです。レポートに関するお問い合わせはこちら。


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