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外資系VS日系企業 日本における外傷治療装置市場のトレンドは?

外資系VS日系企業 日本における外傷治療装置市場のトレンドは?

この記事は、弊社が発行したレポート「Trauma Devices | Japan | 2020」のExecutive Summaryを翻訳したものです。内容・詳細についてお問い合わせはこちらよりどうぞ。

新型コロナウイルスCOVID-19を巡る世界的な状況は現在も急速に変化しているため、これが外傷治療装置市場 をはじめ、多様な医療機器市場に与える影響の全体像を確認するのは依然困難ですが、現時点での情報に基づきCOVID-19流行の影響を定性分析に含め、市場モデルでも検討しました。

その他の主要な整形外科領域と比べ、外傷治療装置領域はCOVID-19大流行の影響がやや少なそうです。骨折症例は多くの場合緊急対応が必要であるため、大関節置換術や脊椎インプラント術など延期可能な待機的手術とは異なっており、骨接合術の多くは今後も実施されそうです。

ただ、大規模な集会の制限のほか、自己隔離、社会的距離の確保、その他日本で取られる同様の対策により、手術数にはいくらか影響が出そうです。状況が悪化すればより厳しい制限が課される可能性もあります。こうした対策によって、交通事故発生数の減少、また身体活動が制限されることで転倒などが減り、骨折例が減少し、外傷治療術数がいくぶん減少する可能性もあります。

日本の病院は個々にCOVID-19流行への対応策を打ち出しているものの、大半はCOVID-19への医療提供体制を確保するため、不可欠な医療に限定しています。例えば、一部の外科医はオンラインまたは電話で診察を行い、損傷の重症度を判断し、重症度の低い症例には保存的治療を推奨しています。大腿骨近位部骨折などは手術を延期すればさらに悪化する可能性があるため延期は不可能ですが、COVID-19感染拡大中は優先度の低い手術数を減らすため、上腕骨近位部骨折または橈骨遠位端骨折など中等度の骨折例にはギプス固定などの非手術的治療が好まれる場合が増えそうです。

手術ではなく保存的治療を受ける患者の割合の増加を受け、2020年上半期には売上数および売上高の減少が予想されます。しかしながら、こうした治療に関連した癒着不能または変形治癒のリスクを考えると、保存的治療を受けた患者も改めて手術を受けることが予想されます。このため2020年には手術数、売上数、収益が減少するものの、2020年の第3四半期には回復の兆しが予想され、2021年まで続きそうです。

現在、日本の人口に占める65歳以上の割合は約27%と、世界平均の約9%をはるかに上回っています(World Bank, 2017)。このため、骨粗しょう症による骨折を起こしやすい大規模な高齢者人口が、予測期間中、外傷治療装置市場の成長原動力となりそうです。

しかしながら、当市場は、欧米諸国に比べ承認される機器が比較的少ないことから伸び悩みが予想されます。海外企業にとっては、厳しい規制基準や複雑な登録手続きも日本市場への参入の大きな障壁となりそうです。また、厚生労働省による診療報酬改定で収益成長もやや低迷しそうです。さらに今後医療機器の保険給付額に関して費用対効果評価が導入される可能性もあるため、利益幅がさらに限定され、当市場での収益成長の妨げとなることも考えられます。

2019年、日本の外傷治療装置市場の首位はデピューシンセスでした。同社は製品開発努力を続け、大規模かつ幅広い製品ポートフォリオを擁し、この領域で長期の実績を持ち、定評を得ています。すべての骨接合材料セグメントのみならず、その他の整形外科領域にも進出しており、多様な製品のセット販売や抱き合わせ販売が可能です。

2位はストライカーでした。大規模な髄内釘セグメントで圧倒的な立場にあり、プレート・スクリューと創外固定器セグメントにも進出しています。業界情報筋によると、ストライカーのデバイスの品質と汎用性には定評があり医師から絶大な信頼を寄せられているようです。同社は2019年11月、Wright Medical Groupの買収に関して合意に達したと発表しました。この契約で、ストライカーは骨折治療製品ポートフォリオを強化し、ジンマーバイオメット及びスミス・アンド・ネフューとの差をさらに広げることができそうです。なお、この買収合意は2019年末に交わされ、正式な最終契約は2020年下半期となることが予想されるため(Stryker, 2019年11月4日付プレスリリース)、この買収の影響は2019年の市場シェアには反映されていません。

ジンマーバイオメットは幅広い製品ポートフォリオを有し、日本でのプレセンス拡大の努力を続けており、シェア拡大に有利な立場にあります。2019年には新たな流通センターを札幌に設立し、販売業者ネットワークの維持と外傷整形外科医との関係構築を目指しています。こうした努力が予測期間中、同社の骨接合インプラント市場でのシェア拡大につながることが予想されます。

メイラ、帝人ナカシマメディカルなど国内の製造業者数社は、日本人患者の骨格を考慮した多様なサイズの骨接合材料を提供し、差別化に取り組んでいます。さらに、日本エム・ディ・エムをはじめとする多くの日本企業は外傷治療セグメントの大半に進出しているため、製品の一括販売の能力があり、主力多国籍企業と効果的に競争できそうです。

日本の外傷治療装置市場に参入する小規模企業には、厳しい規制要件、複雑な承認手続きに加え、保険償還額の引下げが相当の制約となりつつあります。予測期間中、収益を維持できるのは相当の資金を持つ企業に限られると思われます。

COVID-19を巡る状況は急速に変化しているため、多様な市場に与える影響の全体像を確認するのは依然困難です。この市場モデルでは2019年の各社のシェアを示し、COVID-19の影響は反映されていませんが、現状は整形外科治療領域で事業展開している各社にマイナス影響をもたらすことが予想されます。これらの多くの企業は、一部の市場での製品需要減を受け、コストと雇用削減を余儀なくされているためです。その結果、優先順位の変更や、より厳しい財政的制約を考慮し、各社の競争戦略においては外傷治療装置市場を含むさまざまな整形外科治療用機器セグメントを通して転換が予想されます。

本市場分析に際し、日本の外傷整形外科医を対象としたインタビューを実施しました。骨接合材料に関するこれらの医師の意見を市場予測に織り込み、レポート各所で重要なコメントを引用しています。以下はその一例です。

「髄内釘を使用する場合、放射線照射が必要となります。おそらくプレート固定時よりもネイル使用時のほうが放射線量は高いでしょう。米国あるいは欧州では、外科医や患者は放射線暴露を好まず、患者はCTスキャンを嫌っています。一方、日本人患者さんは進んでCTスキャンでの確認を希望します。こういった違いは市場トレンドに何らかの影響を及ぼすのではないかと思います。米国に比べ、日本人医師は髄内釘の使用を好んでいると思います。私たちは骨折固定中の蛍光透視法(fluoroscopy)使用は気になりません。」
― 外傷整形外科医、日本

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