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COVID-19の影響は?米国における画像診断保守サービス市場

COVID-19の影響は?米国における画像診断保守サービス市場

この記事は、「Diagnostic Imaging Equipment Servicing -US」の Executive Summary を翻訳したものです、内容・詳細についてお問い合わせはこちらよりどうぞ。

米国の画像診断装置保守サービス市場は、今後10年間でわずかな縮小が予想されますが、徐々に回復に向かいそうです。ハイエンドシステムの設置台数が堅調に増加し、医療施設がこうした高額なシステムに対しフルメンテナンス契約を選択することが予想されます。初期に見られる縮小の原因としてはフルメンテナンス契約価格の低下、システム販売台数の低下、一部モダリティの設置数が減少しつつあることなどが挙げられます。

COVID-19 の診断および予後評価におけるCTおよび一般X線撮影などの画像診断システムの重要性については、すでに複数の研究が行われており(Inui S, 2020)、これらの技術は米国以外でも、欧州や中国などで予後評価、あるいはPCR検査キットの可用性が限定的である場合など一部の症例ではCOVID-19診断目的でも使用されています (Liu J, 2020)。米国疾病予防管理センター(CDC)は、データが十分ではなく、PCR検査に比べ特異性が低いことからCOVID-19診断目的でのCTスキャンの使用は推奨していません (American College of Radiology, 2020)が、より多くのデータが収集され有利なエビデンスが得られれば、CDCの推奨が変更され、CTおよび一般X線撮影の実施数が大幅に増えることも考えられます。その場合、システムとその保守サービスの需要も高まります。

2018年5月、FDAは報告書を発表しました。2016年に、特にサードパーティ保守サービス契約に焦点を置き、医療機器の保守サービスと修理調整に関連した安全性、品質、リスクの考察を目的として実施されたワークショップ中に寄せられたコメントに対応したものです。FDAはこの報告書で、サードパーティ保守サービスの安全性に関して現在得られているデータは、これらの企業に対する規制の導入には十分ではないと結論づけました (U.S. Food and Drug Administration, 2018)。しかしこの報告書の発表後、ステークホルダーの間では、再製品業者(remanufacturer)としても事業を行うサードパーティサービス提供業者(この場合製造業者として規定される)は業界の規制対象となるかどうかで明確な合意に達しておらず、FDAもこの点についてまだ明確な回答を出していません (Lim D, 2019)。サードパーティ企業(社内のバイオメディカルエンジニアとその他のヘルスケア技術管理職も含む)は将来厳しい規制に対応する必要があり、これが市場にマイナス影響を及ぼしそうです。小規模企業ではこうした厳しい規制の順守が困難であったり、順守に関連した追加費用が必要になったりして市場から押し出されることになり、これを受けて他の企業の運用費用も増大するためです。ただしサードパーティ保守サービス提供業者に対する印象の改善は見込めそうです。

米国の画像診断システム保守サービス市場では、GEヘルスケア、シーメンスヘルスケア、フィリップスといったマルチモダリティOEMベンダーが圧倒的地位を占めています。これは、大多数の病院や医療施設が画像診断システムの保守サービスを独立した保守管理会社(ISO)ではなく、OEMを通じて行うことを選択しているためです。これは主にOEMは信頼性が高いというイメージがあるためで、特にMRI、CT、核医学システムなど高度な画像モダリティの場合は、より複雑な技術が用いられており、ブランドを熟知したOEMサービスエンジニアの専門技能が望まれています。

世界的にCOVID-19の状況は急速に変化しているため、医療機器業界に対する影響も含め、様々な市場に対するインパクトを完全に理解するのは困難です。それでも、世界的にいくつもの市場にマイナス影響を与えるのは確実です。

画像診断検査は選択的であるため、各患者が感染リスクを減らそうと努力するなか、必要不可欠ではない検査は延期または中止されそうです。病院もまた、COVID-19の診断と治療を主体とした資源配分を実践しそうです。このため資本設備の更新に遅れが生じることが予想されます。究極的には画像診断システムの販売数が制限され、短期的には世界中で保守サービス契約数の減少につながり、当市場の各社の収益が制限されるでしょう。この市場モデルは2019年時点での各社のシェアを示しており、COVID-19の影響は含まれていません。現状が悪化すれば、画像診断システムの売上や保守サービス契約の収益は近い将来大きな打撃を受けることが予想されます。

OEMの優勢は画像診断システム市場で自らの地位を確立していることにも支えられています。米国では共同購入組織(GPO)の影響力が強いことを考慮すると、幅広い画像診断ポートフォリオを有するOEMは、施設でのマルチシステム購入と合わせて複数施設でのマルチモダリティ保守サービスパッケージの交渉において有利な立場にあるといえます 。

現在インハウス保守サービスとその他のサービス契約の傾向が高まっており、その結果OEMは画像診断システム保守サービス市場においてより積極的な取り組みを見せています。インハウスのバイオメディカルエンジニアリングチームの人気が高まるなか、OEMは独自のセールスポイント、つまり技術的な専門知識を駆使した先進的な画像診断システム、その購入と一括して保守サービスを提供する能力を絶えず強調し、ビジネス機会の維持を図る必要があります。

中国のUnited Imaging Healthcareは2018年に米国市場に参入しました。プレミアムおよびミッドレンジのMRI、CT、核医学、一般X線撮影システムを含む幅広いマルチモダリティ製品ポートフォリオを擁しており、現在の主力企業と互角に競合し、今後シェアを獲得することが予想されます。同社はイノベーションに焦点を置き、AI使用によるスキャン所要時間の短縮、放射線量低減、ワークフロー改善など、米国市場の需要に対応し、市場浸透を果たしました。本社と製造・研究開発部門を米国内に設立することで米中貿易戦争の影響を免れました。さらに研究開発部門は米国有数の研究機関と協力し、研究とイノベーションを強化しています(United Imaging Healthcare、2019年9月18日プレスリリース)。

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