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【ホワイトペーパー】2020年メディカルデバイス市場で注目するべき6つトピックス:中国における障害と展望

【ホワイトペーパー】2020年メディカルデバイス市場で注目するべき6つトピックス:中国における障害と展望

2020年は、新規規制や貿易協定の更新、地域特有の障壁、政治イベント等様々な出来事が予想され、医療機器メーカーに大きな影響を与えると予想されます。DRGでは特に影響が大きいとみられる以下の事象について、6回のシリーズに分けて解説をしていきます。

  1. 欧州の医療機器規則(MDR)
  2. Brexit
  3. アフォーダブル・ケア・アクト(米国)
  4. 米国・メキシコ・カナダ協定
  5. Ayushman Bharat Yojana(インドにおける医療サービス向上に向けたスキーム)
  6. 中国における障壁と展望

最終回となる今回は、中国における障害と展望について解説します。

注:Brexitについては直近の情勢の変化により情報が最新のものではなくなったため、掲載を見送りさせて頂きます。

CHECK!出典のオリジナル英文ホワイトペーパーもご活用ください。
本日本語記事は6部に分けて以下の英文無料ホワイトペーパーを日本語でお届けしております。

Medtech Regulatory Dynamics 2020: 6 Big Regulatory Updates and Takeaway for Medtech Teams

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中国における障害と展望

コスト、人口構成、好調な国内生産

中国の医療機器業界はこの数十年間で飛躍的な成長を遂げました。その背景には、急速な都市化、可処分所得の増加、膨大でさらに増加を続ける高齢者人口、1、2級医療施設および非都市域の医療インフラ強化、治療選択肢とその使用可能性に関する患者意識の高まり、高度教育を受け、熟練した外科医の数の増加などの要因があります。

これらの要因はすべて、多くの医療の需要を生み出し、多様な医療機器の採用が増え、国内の医療機器市場の発展につながりました。

とはいえ、こうした強固な成長のなかにも課題はあります。中国の医療機器業界は、いくつもの点で独特ではあるものの、この点では例外ではありません。以下に、中国のmedtech業界が直面している主な課題を取り上げ、これらの問題に対する中央政府の現在の対応や今後の計画について細かく検討します。

 

課題:人口統計学的な傾向、財政的困難

中国の医療機器業界が直面している課題の大部分は、人口統計学的、財政的状況が組み合わさって生じていると言えます。つまり、世界最大規模の面積と世界最多の人口を抱える同国が、一貫した医療を提供するうえで起こりうる困難や障害です。

中国製品は過去には「安かろう悪かろう」のイメージを持たれていましたが、国内メーカーが外資メーカーとより対等に競争できるように中国政府による国内製造能力のアップグレードの努力も継続的に行われ、こうした課題への対応がなされています。概して、外国企業は価格が高くてもより質の高い製品を提供しているとみなされ、医療機器、製薬、航空宇宙、IT、ロボット工学といった高価値業界で現在用いられている材料の大半を製造している点を評価されています。

この点を念頭において、中国における過去および、現在も継続中の課題を以下に細かく考察しておりますので、同国の現在の位置、今後の方向性をより包括的に理解いただけるでしょう。

人口高齢化:

中国の人口は、世界の中でも急速に高齢化が進んでおり、同時に生産年齢人口は減少しています。これは公的医療制度に対する膨大なコスト負担となっています。これに加えて、高齢者の大半は大都市やその周辺地域以外の低所得地域出身であり、手頃で質の高い医療へのアクセスは限定的です。

病院の過密状態:

中国では患者の流入を抑制または調整するシステムがありません。通常都心部に多く見られる、熟練した技能を有する外科医やあらゆる手術のための十分な設備が整った病院(3級医院)は全医療施設のごく一部を占めるにすぎません。その結果、患者の大半は医療ニーズにかかわらず、3級医院を好みます。これが過密、長い待ち時間、オーダーメード治療の欠如につながり、公的医療制度にさらなる圧力をかけています。さらに、都心部以外でより一般的な1、2級医院では、複雑な症例に対応できるだけの設備や医療スタッフが不足していることを考えれば、高度な手術または医療機器が必要としながらも都心部以外に居住する人々は必要なケアを受けられない可能性が高くなります。

海外製品志向:

中国の先端医療機器市場の多くは外資の多国籍企業(MNC)製品が大半を占めています。これらの製品は米国や欧州などの先進国市場ですでに実績を有しています。この傾向は、3級医院の数が多い大都市において当てはまります。患者、医師とも多くは国産品よりも高額な外国製品が品質において優れていると考えています。患者が外国製品の費用を支払う余力がある場合、多くが外国製品を選択しています。さらに、いくつかの先端デバイスセグメントで外国企業が「市場一番乗り」の恩恵を享受しています。これらの企業は自国での自社製品の有用性を裏付ける臨床データも、製品を中国で発売するために必要な資源も有しているため、いくつもの市場で相当のシェア獲得に成功しています。そのうえ、多くの国内企業とは異なり、MNCは外科医・医師教育プログラム(特に3級医院の多い大都市において)に大規模な投資を行っています。これによって新製品や術式に対する医師の関心が高まり、医師が製品になじみ、将来安心してこれらの製品を使用できるようになります。様々な政策(のちに考察)に支えられ国内企業のプレゼンスは拡大していくものの、先端医療機器及び複雑な手術用器具市場ではこのトレンドが続きそうです。

サプライチェーンの冗長性:

多くの省では、製品がメーカーから医療施設に届けられるまでの過程に非常に多くの流通業者が介在する場合があります。各社の利益を維持するため、各流通段階で製品に利益分が加味され、医療機器価格の大幅な上昇につながっています。非効率であるのみならず、多くの医療機器(特に海外製品)が大半の患者には手の届かない価格となっています。

 

解決策:インフラ投資、国内生産のサポート、健全な競争政策

前述の課題によって、同国の公的医療制度は強いコスト圧力を受け、限度をはるかに超えた状態が続いています。中国政府はこの圧力軽減のため、過去10年間にいくつかの取り組みを開始しました。

1、2級医院インフラへの投資:

3級医院の過密状態を軽減するため、 政府は1、2級医院のインフラ改善及びこれらの病院の外科医および医師の技術水準向上に相当の投資を行っています。さらに、河南省など一部の省政府は、患者に1、2級医院の受診を奨励する形へと医療費償還制度を変更しています。こうした政策を受け、3級医院の過密状態はここ数年間でやや改善したとはいえ、病院の過密は全国各地で依然大きな問題となっています。このため、全国の患者に手頃な価格で適切な医療を提供し、こうした施設への負担をさらに軽減するために政府はこれらの方針の導入を継続することが予想されます。

民間医療施設数の拡大:

中央政府は、3級医院への圧力をさらに軽減するため、高度な手術やMNCデバイスの費用を支払える患者には民間医療施設での治療を促し、民間施設を推奨し、これに権限を与えることを計画しています。民間医療施設数は過去数年間で劇的に増加しましたが、今後もこの傾向が続くと予想されます。現在、患者の中には大規模な公立病院のほうが質の高い施設だとみなし民間病院を疑問視する声もあります。外科医の多くは、研究や教育活動に従事することが認められ、自らの技術向上の十分な機会が与えられる公的病院での勤務を好みます。けれども政府が民間病院の設立と利用の推奨を継続し、民間病院が行う手術数が全体に占める割合が増えていくにつれ、民間病院に対する患者や医師の考え方もより肯定的なものになり、政府の努力を支えるものとなっていくでしょう。

民間医療保険:

さらに、政府は公的医療制度(高度手術や外国製品はほとんど補償されない)に頼らず、民間医療保険に加入した者に税控除を認めています。これらの取り組みによって、公的医療制度のもとで生じるコストの節減と、すべての病院、特に3級医院での効率的な運営が可能になることが期待されています。

償還の調整:

国内製造業者を支援し、医療機器市場における健全な競争を保証するために、全国の省政府は国産品の使用を推奨する(これらのデバイス費用の大部分を給付)償還政策を活用しています。北京や上海などの大都市では、病院は十分な資源があり患者の多くは比較的裕福であることから、海外と国内デバイス間の償還額には差がなく、このためこうした大都市で使用されるデバイスの大半はMNC製品が占めています。これに対し、江蘇、河北、河南、四川、山東、陝西、湖南各省の償還制度は、国産品優先を明らかにし、パッケージ価格制度を用いて病院に低価格の国産デバイスの使用を求める、あるいは外科的介入よりも保存的治療を好んでいます。共用化され、特殊化されていないセグメントでは国産品が一般に広く受容されているため、国産品の使用を増やせます。さらに、多くの省では、院長は使用すべき国産品の割合(最高80%にも上ります)を定めた特定の政府ガイドラインに従っています。

複数レベルの入札:

デバイス調達手続きが複数レベルで実施されるのも中国企業の支援が目的です。詳細は各省によって異なるかもしれませんが、概して全国で類似しています。入札は省レベル、市レベル、個々の病院直接といった様々なレベルで行われます。これによってどの省でも単一ブランドまたは企業が特定のデバイスセグメントを独占する事態を防ぐことができ、健全な競争を確保できます。さらに省政府は同省内の企業が製造したデバイスを優先し、売上に課される税収を高めることが認められます。

「請求書2枚方式」Two-Invoice policy:

サプライチェーンに多数の流通業者を介することによる価格の上昇に対抗するため、いくつかの省政府は製造業者と病院間の流通業者は1社のみと規定する“two-invoice policy”を導入しています。すでに中国の製薬セクターでも同様の政策が導入され、患者に対する医薬品価格の引下げ成果を挙げています。上海は2018年にこの制度を試験的に導入し、今後は他の省でも実施されそうです。この方針は、今後多くの省で医療機器価格の引下げをもたらし、医療機器の使用増加(およびそれに続く収益)とともに、すでに大きな負担を抱えた公的医療制度に対するコスト抑制圧力の低減につながるでしょう。

外国製品の商業化を容易に:

中国政府は国内生産と国内企業の強化を図っているものの、その狙いは外国製品の完全な締め出しではなく、むしろ外国製品と国産品の間の健全でバランスの取れた競争であるようです。国内のイノベーション促進とMNCの中国市場への円滑な参入を進めるため、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA、現在は国家薬品監督局 NMPA)は、過去5年間にわたって、医療機器の商業化に関する規制にいくつかの変更を加えてきました。

  • 2014年、CFDAは革新性の高いデバイスに関する迅速承認プロセスを発表
  • 2016年、中国での治験実施を免除されるクラスII、クラスIIIデバイスのリストを発表
  • 2017年、政府は国際的メーカーの承認プロセスを迅速化するため、海外での臨床データを容認するガイドラインを発表
  • 2018年、CFDAは「医療機器の監視及び管理に関する規制」に対し、医療機器承認プロセスを簡素化し、より多くのデバイスを国内治験実施免除品目に追加する修正案を発表

 

重要な疑問

● どの医療機器カテゴリーにおいて国産品への大きなシフトが予想されるか?

● 短期的、長期的に競争力を維持するため海外企業はどのような戦略を採用できるか

● 増加しつつある医療の民営化は外国及び国内企業に平等な競争機会をもたらすか?

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