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【ホワイトペーパー】希少疾患の適用がカギに?今後の10のブロックバスター医薬品からみる医薬品業界動向


DRGから発行となったホワイトペーパー「Top10 Blockbusters expected to launch by 2019」を全文日本語化し無料レポートとしてご希望の方にご提供いたしております。

このたびのDRG調査によると2017~2019年に約200品目の新規医薬品が上市されるとみられ1、このうち14%がブロックバスター医薬品になると予測されいる。これは、2025年までに900億ドルと予測される新たに上市される医薬品世界主要市場での売上の約80%を占めます。

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今後の10のブロックバスター医薬品からみる医薬品業界動向

DRG調査によると2017~2019年に約200品目の新規医薬品が上市されるとみられ1、このうち14%がブロックバスター医薬品になると予測されいる。これは、2025年までに900億ドルと予測される新たに上市される医薬品世界主要市場での売上の約80%を占める。

今回のDRG発行のホワイトペーパーでは、2017年から2019年に上市予定の中から売上予測トップ10の医薬品を纏めるとともに、これからの製薬業界でのビジネスモデルに関してブロックバスター医薬品の要素からも分析を加える。

なお、今回のホワイトペーパーでは、DRGが実施した主要市場を対象とした疾患ごとの「ランドスケープフォーキャスト」シリーズを主に活用、さらに既報の文献から得られた知見を総合した。2017~2019年に初回上市が予測される医薬品を対象とし、2025年までに主な医薬品市場(米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス及び日本)においてブロックバスターとなることが予測される新規化合物・生物製剤を特定、詳しく分析した。売上予測には、患者に注目したボトムアップ方式を用いた。

ブロックバスター医薬品の傾向は?

今回取り上げる10の医薬品はすべてブロックバスター医薬品として、年間で10億ドル以上の売上が予測されている。1986年、タガメット(シメチジン)は初のブロックバスター薬となり、その売上は10億ドルを上回った。通常、製薬企業では1つの新薬の研究開発に10年以上の年月と平均26億ドルの費用を費やしている。今回の調査によると、オンコロジー領域、中枢神経系領域で上市予定のブロックバスター医薬品はそれぞれ8品目と5品目で、製薬業界を牽引すると予測される。これらは大企業から中小企業までさまざまな規模の製薬企業によって開発されている。ブロックバスター医薬品は新薬開発の開発意欲向上につながると同時に製薬企業にとっても戦略上重要な要素であると認識されている。

今回の調査で、ブロックバスター医薬品の傾向にも変化が表れていることがわかる。この数年間で、特に生物製剤の分野において、中小企業が開発した希少疾患薬がブロックバスター品へと成長する例が増加している。

2017~2019年に上市予定で2025年までにブロックバスター品となることが予測される上位医薬品

ブランド名成分名企業名フェーズ主な適応症
BavencioAvelumabMerck KGaA上市済複数癌腫
ImfinziDurvalumab, MEDI-4736AstraZeneca上市済非小細胞肺がん
OcrevusOcrelizumabRoche上市済多発性硬化症
OzempicSemaglutideNovo Nordisk上市済2型糖尿病
KisqaliLEE011 (ribociclib)Novartis上市済乳がん
BiktarvyGS-9883 (bictegravir)/
Emtricitabine/TAF
Gilead上市済HIV
DupixentDupilumabSanofi and
Regeneron
Pharmaceuticals
上市済アトピー性皮膚炎
SRP-4053Sarepta
Therapeutics
Phase IIIデュシェンヌ型筋
ジストロフィー
SRP-4045
ErleadaApalutamide (ARN-509)Johnson &
Johnson
上市済前立腺がん
Roxadustat (ASP1517)FibroGen/AstraZeneca
アステラ
申請中腎性貧血

生物製剤の成長と希少疾患での効果

この数年間で、特に生物製剤の分野において、中小企業が開発した希少疾患薬がブロックバスター品へと成長する例が増加している。最新のブロックバスター薬にはHumira、Avastin、Rituxan、Crestor、Revlimid、Abilify、Herceptinなどがあるが、いずれも1種類もしくは複数の希少疾患を対象としている。

対象となる患者集団がきわめて小規模であるにもかかわらず、希少疾患薬がブロックバスター薬に成長しやすい要因として、規制当局による優遇、高いアンメットニーズを満たす製品への奨励、高額な薬価、競合が少ないといった点が挙げられる。

Vertex社のOrkambi(ivacaftor lumacaftor)、Sarepta Therapeutics社のExondys 51(eteplirsen)及びBiogen社のSpinraza(nusinersen)はいずれも2015年または2016年に上市された希少疾患薬で、ブロックバスター品になると予測される。

DRGが調査した27品目のブロックバスター品候補薬のうち19%が1種類もしくは複数種類の適応に対して希少疾患薬の指定を受けている。これらの希少疾患薬は、2025年には主要市場におけるブロックバスター薬の総売上の約20%、及びすべての医薬品(ブロックバスター薬及びブロックバスター薬以外の医薬品)売上の14%を占めると予測される。

希少疾患を適応としたこれらのブロックバスター品(Humira、Rituxan、Crestor、Revlimid、Abilify、Herceptin)に関するもう1つの疑問点は、製薬企業がオーファンドラッグ法(Orphan Drug Act)を乱用していないかどうかである。

希少疾患とブロックバスター医薬品の相関関係と今後の課題とは?

医薬品はまず限られた適応でFDAに申請された後、その適応を拡大して使用、または、知名度の高い製品で希少疾患以外の適応に対し承認を受けた後、希少疾患薬の指定を受ける。この方法によって、製薬企業は、米国で20万人までという希少疾患の枠組み以上の患者に対しても希少疾患薬指定による恩恵を受けることができる。

Gleevec(imatinib)、Rituxan(rituximab)及びEpogen(epoetin-alpha)は、その適応が希少疾患から希少疾患以外の疾患へと拡大され、対象患者集団が急速に拡大した一例である。また、FDAは、1つの疾患をその患者小集団を基にさまざまな亜疾患に細かく分類する遺伝子プロファイリングが「サラミ・スライス現象」を生じ得ることを経験した。

この亜疾患が希少疾患薬の指定を受け、関連する税金の優遇対象となり、高額な薬価で販売され、市場を長期間独占する。こうした発想は、収益の小さい希少疾患薬を開発・製造している企業を支援するためにオーファンドラッグ法が制定された1983年当時には予見できなかった。

利益率の高い希少疾患薬に投じた奨励金を回収するため、例えば日本では、年間売上が1億円を超える希少疾患薬には、奨励金を返済するまで1%の税を課す法律が制定された。しかし現在のところ、米国ではこのような法規は制定されていない。米国の製薬企業は今後もこの慣行の恩恵を受け続けるのか、それともこの状態に歯止めをかける法制度が導入されるかどうかは、ブロックバスター医薬品の今後を分析する場合大きな課題の一つである。


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