【DRGレポート】加齢黄斑変性 | 価格と償還制度|米国

米国の加齢黄斑変性(AMD)薬市場は、主な承認薬―ロシュ/ジェネンテック社のルセンティス、リジェネロン社のアイリーア―が適応外薬のアバスチン(ロシュ/ジェネンテック社)と競合する点で独特である。全3品目は同一の薬剤クラス、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤に属する。承認薬は有効かつ安全であるが、高薬価が支払者に相当な負担となるため、アクセスと償還で制限を受け、結果的に滲出型AMDにおける網膜専門医の処方決定に影響する。
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概要
米国の滲出型加齢黄斑変性(AMD)薬市場は、主な承認薬―ロシュ/ジェネンテック社のルセンティス、リジェネロン社のアイリーア―が適応外薬のアバスチン(ロシュ/ジェネンテック社)と競合する点で独特である。全3品目は同一の薬剤クラス、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤に属する。承認薬は有効かつ安全であるが、高薬価が支払者に相当な負担となるため、アクセスと償還で制限を受け、結果的に滲出型AMDにおける網膜専門医の処方決定に影響する。
この市場での競合は、後期パイプラインのVEGF阻害剤2品目(ノバルティス社のRTH -258、アラガン社のabicipar pegol)の上市が予測され、熾烈化する。
これら新規薬剤は既存剤と比較して服用面で利点があると考えられるが、使用率を促進させるには、開発企業は既存薬と競合できる薬価を設定し、MCOから有利な市場アクセス・償還条件を獲得するための様々な戦略を活用する必要があるだろう。さらに、アイリーアとルセンティスのバイオシミラーが米国で数年後に上市される見込みで、コストに敏感な支払者によって優先される可能性があり、本市場の既存・新規薬剤の双方にさらなる課題が提示される。
調査におけるキーポイント
- 低薬価の適応外薬アバスチンが使用可能であることを考慮すると、承認済みのVEGF阻害剤は償還制限とコスト抑制策の対象になる。どのような償還制限と使用抑制が最も一般的か?
- 保険適用はMCOの最大MAと営利健康保険で違うか?
- 様々なコスト抑制策はアイリーア、ルセンティス、及び適応外アバスチンの処方にどう影響するか?
- 既存承認薬に、患者シェアを拡大する事業機会は依然としてあるか?
- 少ない投与回数の薬剤にニーズがあるにも拘わらず、後期パイプラインのRTH -258とabicipar pegolが承認されたとしても支払者から償還に関する課題を提示される可能性がある。支払者がこれら新規薬剤に有利な保険適用を検討する薬価は?
- これら薬剤が優先的/非優先的なティアに位置付けられた場合、予測される患者シェアは?
- どのような種類の薬剤経済学/医療経済学のデータが支払者にとって最も魅力的か?どのような種類の費用対効果評価が支払者に優先されるか?
- アイリーアとルセンティスのバイオシミラーの上市が予測され、滲出型AMD市場の力学に影響し得る。これらが使用可能になると、先発品や他の承認済みVEGF阻害剤のアクセス・償還にどのような影響があるか?
- 専門医はこれら薬剤を積極的に受入れるか?承認され支払者が償還する場合、見込まれる最大患者シェアは?
- 臨床要因で既存薬と差別化される新規薬剤は、MCOから優先的な市場アクセス/償還条件を獲得する可能性が最も高い。償還/フォーミュラリーでの位置付けにおける様々な促進要因は何か?
- 将来的な事業機会が見込まれるエリアは?
報告書の調査範囲
対象国: | 米国 |
調査方法: | 2016年12月、網膜専門医102名、MCO担当者30名[薬局長(PD)20名、医療部長(MD)10名]へサーベイを実施しました。 |
調査対象の疾患: | 滲出型AMD |
調査対象の主要薬剤: | アバスチン、アイリーア、ルセンティス、abicipar pegol、RTH -258、squalamine、フォビスタ |
調査対象の企業: | Roche/Genentech、Regeneron、Allergan、Novartis、Ohr Pharmaceutical、Ophthotech |